専門職にとって重要なのは現場の知識
専門職が最も嫌うのは、実際得られたデータや傾向を無視し、卓上の空論にこだわってしまう事だろう。一見完璧に見える理論でも、実際に得られたデータが全く異なった傾向を見せれば、それはたちどころに崩壊し一からの理論再構築に迫られてしまうはずだ。
研究職であれ開発職であれ、実際に現場で得られる生きたデータの蓄積、そしてそれらと自分の理論との整合性を保つ事は仕事の上でも極めて重要な事と言える。それらのルーチンを長年にわたって繰り返していく事で、所属する企業や組織、ひいては社会にとっても大変有益な知識となっていくのだ
そのため、専門職の世界では自分のオフィスや研究室にじっと閉じ籠る事はしない。イメージとは裏腹に、積極的に自分の研究成果が活かされている現場に赴き観察を重ね、貴重なデータを収集しているものだ。
その行動範囲は社内の工場や研究・開発施設に留まるケースもあれば、直接関係のない100パーセント社外のフィールドを舞台とするケースもある。もちろん、必要とあらば国内だけでなく海外にも赴く事さえあるだろう。
自分の仕事の正当性を証明し、相違が生じればその理由をリサーチして正しい方向へとフィードバックする作業に入るのだ。専門職は、このような過程や手段を大事にする。
一般的なイメージ以上に、意見交換や調整力といったコミュニケーションの力に長けているのだ。彼等の話を直接聞く事ができるセミナーや講習会などに参加すると、その流暢な説明に感心させられる事もあるかもしれない。